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おそ松さん9話「十四松の恋」について考察してみる

おそ松さん

巷で涙が止まらない、感動したと話題の9話「十四松の恋」。話自体は好きな人との別れを扱ったオーソドックスなもの。お涙頂戴というにはあまりにも薄っぺらい物語ですがこの話には普通の物語とは決定的に違う点があります。

それは国民的人気を誇るギャグアニメでありながらAVという闇の深い業界を話の軸にしているという点です。9話が泣けるのはAV女優特有の不気味さや闇を内包したまま、終始何も明かされることなく美しい悲恋のまま終わるというのがこの物語の印象的なところです。可愛らしい子ども向けの絵柄で、関与してくるのは大人特有のえぐい世界。

きっとこの話に出てくる女の子が、普通のアルバイトとかOLとかだったらここまで涙し、人々が騒ぎ出すほどのものではなかったはずです。

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彼女の持つ独特のミステリアスさ、悪く言えば不気味さが麻薬のような毒となって視聴者の心に回る。

恋する十四松と女の子というスタンダードな物語なのにやけに視聴者の頭から離れないのはそのせいだと思う。

 

この話では明らかにされていることはほとんどありません。唯一かろうじてわかることは彼女が「AV女優だったかもしれない」ということと、「なんらかの理由で死のうとしていた」ということくらいです。

 

おそ松が見つけたAVコーナーのビデオについて

 

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公園のブランコでデート!
 
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だるまさんがころんだ!(注:成人男性です)
 
まるで高校生のような純朴すぎるデート風景に飽き飽きしたおそ松はアダルトビデオコーナーでAVを物色します。

そこで彼は棚の片隅に問題のビデオを発見してしまいます。
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「あれ?この子って」

このシーンからわかることはおそ松が発見したビデオにあの女の子が出ていたということくらいです。

しかしこのシーンからいくつかの可能性が考えられます。

可能性1: 女の子がでていたAVはおそ松のような一般男性が好まないようなドン引きするほど悪趣味なジャンル

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おそ松はかなりの時間、アダルトコーナーに粘りかなりの量のAVを物色していました。それでいても彼に見つからず誰からも発見されず片隅(しかも下段)に置かれていたということからその内容がとても一般受けするものではないということがわかります。

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女の子の容姿をみるとかなりの美人であることがわかります。ふつうここまでの美人が出ているAVが片隅に避けられるなんてことはありません。普通の人が避けて通るほどAVの内容が見るに堪えないものであったということが考えられます。

上記の点から省かれるのは、暴行系(具体的なジャンルで出すと検索に乗ってしまうのであえて避けてます)と痴漢や盗撮です。これらは人気のあるジャンルなのでおそ松が触れなくても他の客によってまず表に出てくるでしょう。なのでこれらの可能性はまずないと思います。同性愛系も考えましたが腐女子だけでなくそういったジャンルは男性からも人気のようだったのでこれも省きます。近親系も同様の理由からパス。

私が考えたのは汚物を食べさせられたり虫を食べさせられたりするような特異なジャンル、またはザクザクに痛めつけられるバイオレンス系です。普通に無理やりやるとかじゃなくてグチャグチャに痛めつけられて血とかバーーって出るような感じの方。どちらも一般受けしませんしこれなら片隅に避けられる理由も納得がつきます。

 

可能性2:事務所などに騙されてAV女優になった可能性

ここからは完全に推測にすぎませんが一応幾つかあげてみたいと思います。AV業界というとかなり黒い噂を聞きます。まず一つが事務所の口車に乗せられ契約書に判子を押してしまったケースです。

「肌を見せるだけで直接的な描写は一切ない」、「一度に数百万の大金が入る」などの口八丁手八丁で言葉巧みにに踊らされ印を押してしまうということが多々あります。また「芸能事務所かと思ったらAVのブローカーだった」、「彼氏が借金のカタに彼女を売った」ということもよくあります。

契約を解除するにも数百万の違約金を払わされるなど脅され泣く泣く応じてしまうそうです。しかも大金が入っても短期間のうちに体が持たないほどの撮影を強要されるので女の子たちの精神は取り返しのないほど退廃していきます。ただこのケースでは女の子が食い物にされ金儲けの道具にさせるのが特徴です。ビデオが見つかりにくい位置にあった、田舎に帰ったという点から、低い可能性だと思います。

 

可能性3:過去の男性トラブルから自暴自棄になりAV業界に入った可能性。

女の子がAV業界に入る理由に男性からの性的暴行やトラウマというのがあります。自暴自棄になってそのトラウマを薄れさせるためにそういう業界に身を置くというものです。後味悪いし一番外れてほしい。

 

余談なんですがこの件があってからのおそ松ってどこか変なんですよね。普段のおそ松と違い、神妙な表情をすることが多くなった。「子供がそのまま大人になったと言われるようなバカ」のはずなのに子どもの前で都合の悪いことを隠している父親のような表情になっている。

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十四松に「話がある」と告げるシーン。

 

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このときの十四松の顔、いつもの十四松の顔だけどどこか不安をたたえているような気がします。まあでも、いつも神妙な顔なんてしない兄貴がそんな表情で話しかけてきたら誰でもビビります。

 

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告白に赴く十四松をみんなで見送るシーン。

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あの一松ですら笑顔で応援してるのになんでそんな変な顔をしているんだ…。

 

女の子の描写について

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これは十四松の回想で出てくる女の子。左手に包帯のようなものを巻いています。

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この絵だとわかりやすいです。 

可能性としてはリストカットの跡か、過去に自殺を計ってできた跡。

リストカットの場合、自殺という目的よりも精神の安定、生きるために必要なこととして行われることが多いという話を聞きます。彼女の場合本気で死のうとしている。手首を切るくらいでは死ねなかったので崖から身を投げようとした…というのが推測ですがこれも人それぞれなのでなんとも言えませんね…。

 

十四松はなぜ普通の人になったのか

十四松は彼女がきっかけで普段の狂人じみた行動が一切なくなり普通の人になったわけですが、私の推測では「彼女を笑わせるためにすべての力を使い果たしてしまっただけ」というつまらない理由をあげてみたいと思います。

十四松のデート風景を見たトド松は帰り際こんな言葉をつぶやきます。

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「かなりボロボロだけど…」

 

この話の十四松、彼女を笑わせるために全体力を使いすぎてかなりボロボロになってしまっているんですよね。家に帰る頃には普段のボケをかますことができないくらい力尽きていたのではないかと思います。ただその場合、彼女と付き合い続けていたら身を滅ぼす結果になっていたと思います。「いつかは破滅する恋であった」という悲劇を決定づけられてしまうためこれはないかな、と思う。

今まで「みんなを笑わせたい」という考えが恋することで「彼女だけを笑わせたい」に変わった。多分これが一番正解に近いのかな。一番綺麗だし。

 

おそ松の「今日、金ない」の意味

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一番視聴者を困惑させたシーン。思わずチビ太が「はぁ?」というほど話が繋がらない違和感のあるセリフ。というかこの話のおそ松はどこか変ですね。

金がないのはいつものこと、当たり前の話。ならなぜ金がないとわざわざ言ったのか。彼には金を使う異質な理由があったが故に、それを隠すためあえて金がないと当たり前のことを言ってしまったのではないか。

 

考えられるのはAVの一件。あのAVがあのまま店に置いてあったら他の兄弟に見つかる可能性が高い。彼は稀に見るバカと言われています。彼の少ない知識のなかでようやく思いついた方法は、「レンタルしたAVを紛失したことにし、賠償金を払ってビデオを見つからないようにした」のではないかと思います。

賠償金は店によって様々ですが1万程度から数万円と思われます。レンタルビデオは普通のビデオと違い、制作会社がレンタル用に許諾した特別なディスクです。それには著作権料も含まれているため買い取ろうとしても紛失しても結構なお金がかかってしまいます。それが後の「俺、今日金ない」につながるのかと。考えすぎかな?

 

まとめ

個人的には今回の話は「おそ松さん」というアニメを色濃く出した話だとおもました。おそ松は基本的に「大人になりきれない大人」です。同時に大人になりたくない大人でもある。

ニートで親のすねかじりで定職にもつかず趣味はパチンコ。いつまでも子供の気分で体だけ大人になったおそ松が大人特有のえげつない世界を否応なく見せつけられ、そしてその現実とどう折り合いをつけるか決断を迫られる。今まで逃げ続けていたこと、したくなかったこと、責任…兄弟のために余儀なく考えさせられる。

やっぱりいつまでも「ニートが安心するアニメ」じゃダメなですかねぇ。

 

追記

調べてみたらおそ松さんの世界は死後の世界だという説もあるそうです。私はありえない話ではないと思います。このアニメの主題歌の歌詞を作っている人がそういう系の人ですし、初めはなぜこの人が?と思いましたがはじめからそういう意図があるのなら納得。

 

 

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