ゴリアテ | アニメ・ゲームブログ

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最近読んだ漫画感想まとめ

読んだ漫画感想まとめ

普段からよく漫画を読むので読んだ漫画は全て感想を載せていこうかと思います。

ネタバレ込みの感想も見たい方がいると思うので、クリックすれば見れるようにしておきました。

購入の目安として参考にしてください。 

 

 

SNS地獄

ドキュメンタリー

すっきり

作: とらふぐ

オススメ度:★★

最近はやりのインスタグラム漫画。いいねの数は人の自己顕示欲を満たし更なる欲望を生み出す。純粋だったそれはやがて黒い感情を生み出し欲望に駆られる奴隷となる。

社会の闇といってもその構造は単純だ。ゲームと同じ。紙飛行機を折って綺麗なものを作って思いっきり投げてどこまで飛ぶか観察する。遠くまで飛べば嬉しいし、飛ばないと悲しい。上手く作ればヒーローになれる。ただそれだけ。

この漫画は割と目にする印象的な広告だが内容かかなり薄い。紙切れ一枚で纏め上げられるほどに薄い。短く薄くだが起承転結はしっかりと構成されている。インパクトのある表紙と比較して内容もそこまで残酷ではない。

 だがそのシンプルさが故、わざわざ買ってまで読む内容ではないかもしれない。ひとつ特徴として思ったのがこの主人公割と能動的で行動的な人物だなと思った。その動力を他の事に生かせばインスタグラムで自己顕示欲など満たさなくてもどうにかなったのでは?

SNS地獄 (鬼女DX)

 

ネタバレありの感想を読む
主人公は非常に行動的。インスタグラムという自己顕示欲の場を見つけた瞬間新しいおもちゃを手に入れた子供のように喜び、他人の物を撮影してまでいいねを貰おうとする。もちろん他者に嫉妬するし妬むこともある。だが今まで特筆して誇るべきものが無かった主人公にとってインスタグラムというのは初めて手に入れた自分の場所だったのだろう。
主人公だけにいえることではないのだが、現代社会において人々の情報の管理能力というのは非常に低い。男でも女でも、多少かじった程度の者はいるが素人は素人でやはりネットに対する安全知識はきわめて低い。インターネットに自身の情報を晒すということは非常に危険だ。写真一枚にだって個人情報が入っている。そういった小さい欠片を合わせて人々は個人を特定できる。主人公は使用している端末の位置情報を切っていないため自分の位置情報を惜しげもなくアップしていた。それが周知され、有名人になればなるほど彼女の危険は増えていく。それを打ち消すように決定的な事件となったのが、犯罪者を無断で撮影してしまったことだろう。一種の不幸であったが、この件がなければ主人公は炎上や様々な理由で社会的に殺されていたかもしれない。

奈落の羊

ドキュメンタリー

まずい

作: きづきあきら ジャンル:青年コミック

オススメ度:★★★

youtuber、実況者、配信業界をテーマにした漫画。最近こういったネットの闇を描く漫画が増えているがIT業界は人よりもずっと早い速度で成長し人よりも何倍も早く寿命を迎える。これらを題材にした漫画もすぐに廃れてしまうのだろうか。

漫画で描かれる配信サイトはコメントが流れるシステムになっており、恐らくニコニコ動画が元になっているのだろう。うだつの上がらない大学生修二はニコニコ動画で配信を行う配信者。ホームレスの少女「メイ」をきっかけに視聴者を増やすべく企画を始める。人権を踏みにじった企画は視聴者に受ける。元々下劣な人間が多く群がりやすい場所だ。だから受ける。

 物語は意外にもストーリー性がある。いつの間にかヤクザが絡み社会的貧困が絡み様々な要因が木の根のように絡み合って根を広げていく。十数年前はこれほどまでに深刻な社会的背景は無かった気がする。これらが表に立つほど日本の闇は濃く広がってしまったのかもしれない。

奈落の羊 : 1 (アクションコミックス)

 

ネタバレありの感想を読む
主人公の修二は最初こそクズに見えるかもしれないがやはり良識を捨てられないのか次第に本能が抵抗していく。頭の片隅にはメイの安全を考えている。修二は健全な教育を受けてきた。だからこそ下劣になりきれない。修二はもともと高校時代の友人たちと5人で配信し人気を集めた。私もyoutubeでよく動画を見ているが仲の良い配信者は見ていて面白い。こちらも楽しくなる。それが喧嘩別れでバラバラになってしまうのもとてもリアリティがある。それが第三者による陰謀であっても比較的良く目にする光景だ。
ネットの世界においてありがちなのがやはり他人と比較してしまうという点だと思う。勝手に他人と比較して勝手に自分を卑下して劣等感に苛まれる。自分の環境が恵まれていることにも気付かない。大抵それに気付くのは全てを失ってからなのだが修二は全てを失って初めて覚醒する。そして自分と同じ奈落の底まで落ちた修二を見て物言わぬ瞳で見つめるメイ・・・・・・。自分を金で買う修二。愛情があるかどうかは分かり難いが、頑なに本番行為を拒んだ彼女が体を許すのだからメイは修二を愛していたのだろう。
最終話において修二は全てを取り戻しまた配信活動を続けているようだ。海外の危険な場所へ趣き、隠しカメラで撮影し配信者に届ける。リスクを背負ったそのやり方はまた同じ過ちを繰り返す愚者に見える。だが彼の目に迷いは無い。その目には活力があり自分への信頼がある。彼は他者の意思ではなく自分の意思で、自分を信じて思うべき道を進んでいるのだ。今までの修二とは違う。プロの配信者としての修二。過ちを犯しても今の彼は後悔することなく戦うことが出来るだろう。そこには正しい人としてのあり方が良く描かれていた。

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歌い手のバラッド

エロ漫画

切ない

作: クジラックス

オススメ度:★★★★★

有名なクジラックス先生の力作。いつもちょっとアンダーグラウンドな感じのエロ漫画を描くのが彼の特徴ですが今回のエロ漫画は実際に起こった事件を元にしておりやけにリアリティがある。このやけにリアルな欝漫画を読むためにわざわざDMMで購入したのだがやっぱり面白い。

 今回主人公となっているのは動画サイトで歌い手として活動する男性でそこそこファンがいる人気の歌い手。元々音楽を志しておりストリートミュージシャンとして活動していた彼にとってネットでの音楽活動など造作もないのだろう。そこそこ綺麗な顔をしてそこそこ歌の上手い彼は若い女性たちから応援される。

通常、エロ漫画において個性のある主人公というのは珍しいが彼は印象に残る性格をしている。彼のような悩める青年は今時珍しくはないし、現代特有の空虚感を良く描いている。一人の歌い手を通して残酷な現実が酷く惨めに突きつけられる。冒頭の逮捕シーンから見て彼の行く先は絶望でしかない。絶望から始まっているからこそ道中のエロシーンが美しく甘美に感じてしまう。良く作られていると思う。

エロ漫画としては正直男性向けではないかもしれない。どちらかというと女性向けでなんというか、少女たちに対する主人公のやり方が奉仕以上の何者でもない。男にとって自分から何かをするのは面倒な行為だ。それをこの主人公は率先して行い少女たちの快楽のためにあの手この手を尽くしている。はっきり言って面倒で、普通ならば少女たちにああしてこうして欲しいと要求したくなるのが本音だろう。自分が何もせずともモテたい。努力なんてしたくない。少女たちが自ら寄って来て自分に奉仕をして欲しい。それと間逆のことを主人公は実践している。疲れないのだろうか。この漫画をエロ目的で見る男がいるのか甚だ疑問だ。

歌い手のバラッドを読む

 

ネタバレありの感想を読む
4話において大手歌い手との差を突きつけられるシーンが本当に残酷。もうこれでもかってくらい残酷。主人公は人気動画サイトが主催する歌い手のライブに出演することになるのだが、実はそれは出演できなくなった大手歌い手の代わりであり、事実上の前座扱い。その事実に主人公は傷つくが、それ以上に辛かったのは有名歌い手たちにおざなりにされ握手もして貰えなかったことだろう。歌い手の輪に馴染めずその寂しさを女子中学生で埋める主人公。
この漫画において「数字」という単位が主人公を狂わせているのは露骨に分かる。主人公は全体から見ればかなり成功しているほうだ。普通に生きていれば人から評価されファンを得ることなど出来ない。外見もそこそこイケメンで、ライブでトップバッターをはり、オリジナルの歌を歌えばファンが評価してくれる。それは彼に実力があることの証明だろう。だが彼は一部の大手歌い手と自分を比較し勝手に卑下して劣等感に陥っている。同級生にしてもそうで彼は自分と他人を比較して勝手に落ち込んでいる。
数字に踊らされているのは彼だけではない。彼を取り巻いた人気歌い手たちも数字に支配されている。主人公と対面した歌い手たちらは、主人公は弱小歌い手に過ぎず握手する価値すらないものとして扱ってしまった。若さゆえの軽率さなのかもしれないが本来仕事というのは相手を人として認識し、人と人とのコミュニケーションとして自覚して付き合うのが常識である。そんな当たり前のことが出来なくなるほど毒されてしまう。これはyoutubeニコニコ動画でありがちで人は数字を手にすればするほど良識を失ってしまう側面を持っている。そういった負の側面が淫行やら炎上やらと言った事件に繋がってしまうのだがクジラックスはそれをやけにリアルに描いているから面白い。
5話において彼は全国ツアーと称し各地方の少女たちを食らうため転々とするのだが、この全国ツアーは実際のところただカラオケで歌を歌うだけの粗末なものでこれが彼の限界であることが伺える。それでも彼には力があり人は力を手にしてしまうと容易に狂ってしまう生き物であり、本当の意味での心の強さを持たなければ破滅の道を歩んでしまう残酷さを見せ付けられる。最後に大量に飲み干す亜鉛の生々しさはこの作者にしか出せない最高の演出かもしれない。

トイプードルとゴミ屋敷と私

ドキュメンタリー

すっきり

作: 池田ユキオ 出版:レディースコミック

オススメ度:★★

ネットサーフィンしてるとよく出てくるキャピキャピした女のドヤ顔の漫画。短編小説で内容は驚くほど短い。主人公は20代でちやほやされた旨みが抜けずそのまま大人になってしまったタイプ。30半ばその自分勝手な性格が災いして人からちやほやされなくなり、インスタグラムへと逃避する。トイプードルをいいねの道具として使うのだけれど、やはり動物なので言うことをきかない。反抗した犬に対して蹴りをかまし虐待に走る。一件動物虐待の陰鬱ドラマに見えますが全体的には救いのある内容で思ったほど気分が悪くなることもありません。犬も無事。

ゴミ屋敷とトイプードルと私 (mobaman-F)

ネタバレありの感想を読む
主人公はもう周りがちやほや甘やかしたせいで徹底的にダメになってしまった典型的な女。女性も男性もいつしか子供から大人として自覚と責任を持たなければいけない時期がくるのだが大半の人間は大人になれないまま大人になってしまう。とくに女性は20代の頃、甘やかされちやほやされ周囲の男が散々手を焼いてくれるのでその旨みが忘れられない。その男たちが求めるものは一時の快楽と若い肉体でしかないのだが、女はそんなのはどうでも良く。一時の甘美な時期を当たり前のように享受する。食事代、ホテル代、チケット代、交友費。いつしかそれは出してもらって当たり前の財布と貸し、女は他人に感謝する心そのものを失っていく。それはとても怖いことである。この主人公はそれを分かりやすいほどに体言しておりそれは彼女だけでなく周りにも責任があるのかもしれない。
主人公によって虐待され弱ったトイプードルは姉に発見され即座に救出された。そして彼女の息子の元で新たな主を得て幸せに暮らしている。反面、主人公の周囲は他人の不幸をネタで笑うことしか出来ない下品な面々しかいない。下劣な精神や神経は主人公だけでなくそこらに存在するものであることが良く分かる。
対して主人公の姉はしっかりもの。妹がもたらした苦労や不幸だけでなくもしかしたら姉妹の外見を比較する大人たちの色目も良く知っていたのかもしれない。そういった周囲の大人の汚れを理解していたからこそ他者を利用して最終的には幸せを勝ち取り弱者を救い出せたのだろう。姉は主人公と比較すると正しい大人として描かれている。その心は妹への憎悪と復讐心に満ちていたが、彼女は他の登場人物とは違い、他者を不幸にするのではなく、弱った子犬や介護に疲弊する母を救い出して保護し、妹には正しい方法で罪を償わせたのだった。姉は復讐に駆られていても正しい大人だったのだろう。目の前にいる被害者は確実に助け出しその上で罪人に審判を下す。妹は生きていた今までの分の罪を介護という形で返している。インスタグラムやSNSなど周囲の媒体や環境が変わっただけで人の心は昔のまま何も変わってはいない。

よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話

ドキュメンタリー

まずい

作: いしいさや 出版:ヤングマガジンミックス

オススメ度:★★★

一人暮らしの方なら必ずと言っていいほど現れる宗教勧誘の家庭を描いた漫画です。宗教といってもキリストとか仏教とかじゃなくてとくに厳しい戒律で定められたエボバの話。周囲との差に戸惑いつつも、厳しい戒律を親に強いられ一抹の痛みを抱えながら馴染もうとする幼い主人公。服装や食事などの些細なものから生活に支障をきたす面まで規律され、イベントも全てナシ。友達と同じようにおしゃれを楽しむ子供をまるで忌むべきものを見るかのような目で嫌悪する母親。

その家庭はやはり普通の家庭とは違い、どこか陰鬱で世界の裏側を見るような不気味さがあります。最初から最後まで「幸福」と言ったものがなく終わるので人によってはあわないかもしれません。

よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話を読む

ネタバレありの感想を読む
話の間中、一瞬だけ父親がクリスマスを祝ってくれるシーンがあります。どうやら父親は宗教をそこまで信仰していないようです。どんな思いで母子を見ていたのでしょうか。家庭内に対して何の疑問を持たなかったのか、そもそも口を出すほどの強さがなかったのか・・・・・・
そんな父親を無視するかのように、母子は熱心に宗教活動に勢を出します。週に何度か信者で集まり熱心に教典を読み上げ、決められた日に信者でチームを組み集合住宅へ勧誘を行います。行っていることは異端なものですが現代では希薄になった人間関係がそこにあり、人と人とのつながりがありました。母が熱心に宗教を信仰していたのは、もしかしたら人との繋がりがない寂しさからだったのかもしれません。
子供は学校という場があります。主人公には友達がいます。そんな大人のさびしさなど理解できません。物語終わり、成長し大人になった主人公はついに自分の口から「宗教をやめる」と母に言います。宗教による洗礼を受けながらも、心は常に正常な判断をもっていました。
母はどんな顔をするのだろう。意外なことに母は怒りませんでした。「そっか」とその次の日から宗教を捨てました。長年信じていた信仰を捨てるということはとても重いことのはずです。自分にとって救いがなくなる。しかしあっけなく翌日からは普通の食事が出され普通の生活になりました。心のどこかで分かっていたのでしょう。自分のしていることに意味が無いことを。ただ空しさを埋めるための手段であったことを。
宗教を捨て自由になった子。ですが宗教を捨てても尚、心なしかどこか暗くいまだ制約が抜けきりません。体に染み付いた宗教の制約は鎖のように心を締め上げます。自由になり制約を破ってもどこか浮かない顔で空を見る主人公。その先に幸福があるのか、それすらも分からないまま物語は終わります。

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累 —かさね—

サスペンス

感動

作: 松浦だるま 掲載誌:イブニング

オススメ度:★★★★★

イブニングで連載されている「累」です。 化け物じみた醜い容姿を持つ累(かさね)が美女と顔を交換し舞台に立つというお話です。

ひきつけられるほど魅力的なストーリーですが表現力がこれまた見事でぐいぐいと飲み込まれます。読んで損はない一品です。

累(第一巻)を読む

ネタバレありの感想を読む
かさねの渇望というか美女に対する憎悪と執着が印象的です。どこか可愛らしい性格をしているのに心の底から美しさが憎く、羨ましい。一人一人の心理描写とか人格描写が本当にすごいんですよね。どのキャラも不快じゃないしどのキャラにも同情が出来る。一番のおすすめ。

この愛は、異端。

恋愛

甘い

作: 森山絵凪 掲載誌:ヤングアニマル嵐

オススメ度:★★★★★

悪魔と少女のラブストーリーって割と王道ですよね。昔ちょっと憧れて悪魔なエロスっていう漫画読んでましたけど、今回のこの漫画は絵もすごく綺麗でストーリーも面白いです。

男性特有の執着心とか嫉妬や猜疑心などが非常に色濃く描写されていて、尚且つエロい。どちらかというと青年誌のようなエロさがあって楽しめます。

この愛は、異端。(第一巻)を読む

ネタバレありの感想を読む
ヤりそうでヤらない。あとちょっとでヤれるのに!というバランスが非常に上手ですよね。なにやら天使の存在とかも出てきてどうなることやら。大学で出会ったボーイフレンドも見た目モブキャラっぽいですが今後ストーリーの根幹に関わりそうな匂いを出しています。早く2巻でないかなあ。