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はてなブログのアクセス数に取り憑かれて狂わされた人を見る

小話 はてなブログ

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はてなブログのアクセス数に狂わされた人を目の前で見た。はてなブログのアクセス戦争が苛烈で混沌としていると聞いてはいたがせいぜい子犬がじゃれるようなその程度だと思っていた。現実はそうじゃなかった。

 

ブログを書くことを楽しんでいた私はそのノリで身内にもブログを作った。独自ドメインを取得しサーチコンソールや広告なども入れ、ディスクリプションやタイトルなども完璧に設定しどこから見ても強いブログを作り上げた。

 

奴も強いブログを手に入れ意気揚々と更新をした。私の狙い通り開設して1週間で1日80PVが安定し楽しく更新できた。

 

アナリティクスを見ながら検索した人が使ったキーワードから人物像を想像したり、みんなが何に対して興味があるのか予想したり最初は本当に楽しく更新していた。

 

それがこんなことになるなんて思わなかった。今となってはとても後悔している。

 

 

はてなブログをやっていると知らなくてもいい情報が嫌でも目に入る。

例えば3ヶ月で200万アクセスを達成したとか数週間で20万アクセスを達成したとか1ヶ月の収益が100万を超えたとか高学歴ブロガーがどうとか注目のブログにのったとかそういうのだ。

そういった記事は定期的にトップページに上がるから嫌でも目に付いた。知りたくもない情報が嫌でも入ってくるのがはてなブログの特徴だ。奴もその一人だった。

 

奴は自分のブログの話よりも他人のブログの話が増えていった。あの人は才能があるとか高学歴だからやっぱりすごい。それに比べたら自分なんてカスみたいだ。アクセス数も少なすぎるし……とかそんな感じだ。

 

私は「他人は他人だから」と言った。

記事ではそういう風に書いているけど実際顔を出したり実名を出したり彼らには彼らなりにリスクをとってやっている。

数ヶ月の間にかなりの数を投稿しているのもあるしそれと比べても仕方がない。

扱っている分野も違うのだからこちらはこちらのやり方でやるべきだと言った。

 

身内はその時は納得したが日が経つにつれて不満を抱えるようになっていた。1ヶ月もすると自分のブログのジャンルを変えたいと言い出した。

 

今まで専門的なことを扱ってきたが俺の扱うジャンルはマイナーすぎる。もっとメジャーなことをやらなきゃ伸びない。

 

奴は言った。そして持ちだしてきたジャンルはガーデニングや映画や料理などライフスタイルに関係したものだった。

 

私は反対した。方向性を変えればアクセス数がガタ落ちし、やる気をなくすことが目に見えていたからだ。そうなった時にまた軌道修正するのは面倒になるし一度軸がぶれるとその後にも影響してくる。

 

「内容のない記事に人は集まらない。ガーデニングや料理はレベルの高いライバルが数え切れないほどいる。過去に書いた数件のライフスタイルの記事も全くと言っていいほど伸びなかったじゃないか」と説得した。奴は渋々と納得したがブログのタイトルは大衆向けに変えることになった。

 

さらに数週間すると奴は自分のブログの中からもっともアクセス数が多かったものを消し始めた。

「専門的な知識を得るには金がいる。それをタダで教えてやるなんて納得できない」と奴は言った。

 

私は「お前の記事は文章も基本がなってないし起承転結すらなってないから専門的な記事を書いてもそもそも伝わらない」と言ったが奴は聞く耳を持たなかった。ブログを消しているときの奴の目には金とアクセス数しか映っていなかった。

 

「もっと別のコミュニティに行きたい。俺と同じ年代が集まる場所なら友達もできるしコメントもつくはずだ。アクセス数だって伸びる。今のブログはコメントもいいねももらえない。ブログ村はなんてことない記事を書いているのにたくさんコメントをもらっている」

奴は言った。それに対して私は静かに否定する。

 

「そういうコミュニティは横のつながりが強くて硬い。新参者が入ったところでのけ者にされる。そうすると傷つくのは自分だ」と。

もっとも、奴の心にはかすりもしなかったが代わりにブログに対する憎悪だけが増えたようだった。

 

いつからだろう。こんな喧嘩ばかりするようになったのは。

 

アクセス数が多かった記事を消してから奴のブログのアクセス数は急激に減った。

その上ブログを週1より低い頻度で更新するようになったためアクセス数は最盛期の8分の1にまで減ってしまった。

 

要は1日、十数件しかこなくなった。

 

体力がないとか頭を使うとか言っていたが、超王手のブログと比較したせいでブログに対するモチベーションが下がったのは一目瞭然だった。奴は少ない時間と少ない労力で数千から数十万の莫大なアクセスがほしかったのだ。

 

アクセス数が十数件まで下がったのをきっかけに奴はますますやる気をなくした。

他人に言われて事務的にやる気のない記事を書き続け、それでもアクセス数は伸びない。当たり前だ、見る人のことなど一切考えていないのだから。

 

出てくるのは完全に愚痴だけになった。毎日、毎日出てくるのはブログに対する怨念ばかりだった。聞いている方もさすがにうんざりする。

 

「今日も数ヶ月で20万アクセス行った奴がいる、そいつに比べて俺のブログはカスだとか海◯◯は一行書くだけで大量にアクセスが来る。あいつは金の亡者だ」とか他人に対する怨念ばかり吐いていた。

 

私はそれに対して1つ1つ否定した。

「お前のブログは更新してすらいないし記事の数も十数個しかない。それでアクセスなんてくるわけがない。そもそもお前のブログは文章がめちゃくちゃで写真もないから金を払う価値もない。海老◯がブログを更新するのは若い人に知ってもらいたいからだ。金目当てじゃない」と。

 

それに対して奴は「ブログは数じゃない。内容だ。本来なら金を出して得るべき専門記事ばかりアクセスが集まる。あいつらは乞食だ。タダで俺の専門知識を欲する乞食共だ」と言い放ったのだった。

 

その瞬間、私の怒りが爆発した。

 

ふざけるな、お前のブログなんて金を出してもらう価値なんてない。だいたい乞食はお前の方だ。あんなにアマゾンの欲しいものリストを入れて施しを欲しがっていたのは誰だ!?コメントなんて来ないのが普通だ!みんな他人を怖がって待ってばかりだからひとりぼっちなんだ!やる気もない!書く気もない!他人に対する悪意ばかり言うならブログなんて消しちまえ!

 

自然と乱暴な言葉が私の口をついて出た。キレた私を見ても奴は平然としていた。

消してもいいよ。やらないから」と言った。

 

私はその場で泣いた。私の半年はなんだったのだろう。こいつのために必死で考えてセッティングしてよく知らないジャンルのことも調べでメタタグを設定し最善を尽くしたのに、こんなことになるとは思わなかった。

 

涙する私を見て奴は初めて狼狽した。必死に取り繕う奴の電話を切り、私はブログを削除した。

 

どうして変わってしまうんだろう。なんでみんなアクセスなんて気にせず楽しくやれないんだろう。私の心は形のない虚しさで溢れかえった。

 

ブログを削除したことを告げると奴は言った。

 

迷惑料は払う。でもみんながお前みたいに純粋な気持ちでブログをやってるわけじゃない。はてなの世界は混沌にまみれている。みんなアクセスを増やすために目玉に血を走らせて記事を書いているんだ。俺もそんな世界に身を投じるうちに心が邪悪に蝕まれ他人に対する怨念しか出なくなってしまった。だからみんなブログを辞めていくんだ。俺には向いてなかったんだよ。お前も本業があるんだからほどほどにして切り上げたほうがいい。

 

 

 

…何を言っているかわからなかった。努力すれば報われる。自身の成長がブログに反映される。得た知識が数字になって反映される。私にとってブログというものはそういうものだった。

 

こんなことになるなんて思わなかった。

自分のブログを削除したわけじゃない。なのに心の中にはぽっかりと大きな穴が空いていた。

 

 

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