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Beholder公式短編映画のストーリー考察(ネタバレあり)

Beholderの公式が出している短編映画の考察。この短編映画では、何度か人が死に、カールも殺されているが当たり前のように復活し、またひと悶着起こすという内容になっている。

 

この主人公のオッサンの名前はカール・スタイン。国家に従属する公務員の一人でアパートの管理人を任されている。管理人は表向きの姿で彼の真の役目は国民の監視である。

 

監視者としてのカールには特別な権限を与えられている。

全ての部屋に自由に入れるマスターキー、国家への通報で警察を出動させる、住民のプロファイルの報告、実験薬による24時間眠らない体。

 

この映画のカールはおそらくループしていて、目的が失敗するたびにポイントを過去に戻してやり直しているっぽい。

所持した記憶は引き継いで戻っているような素振りを見せており、失敗の度に別の手法を試みているように見える。

 

このゲームのセーブシステムはプレイヤーから見ると少々不便なものになっている。

ゲームは基本オートセーブでプレイヤーの手で細かくセーブ地点を選べない。

 

プレイヤーはセーブポイントから出発し、イベント終了までに様々なストーリーを見、情報を入手してやり直すことができるが、イベントが発生した初期の地点に戻されるという不便な仕様になっているため、過去の条件を変えてやり直そうとするとかなり前の地点まで戻らなければいけない。

 

何度も何度もやり直し、限られた時間の中、最善のルートを選びだそうと奮闘するカールの姿はまさにプレイヤーそのもの。

 

冒頭

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カールの元に政府から電話がかかってくる。ゲームでは政府から電話がかかってくると一つのイベント発生としてカウントされる。受話器を置くとイベント完了扱いなのでそこがセーブポイントになる。カールの起点は必然とこの執務室になる。

 

おそらく電話の内容は海外の薬であるリーベスピリットが禁止薬物に指定されたためそのポスターを張るという指示。受話器を置くカール。

 

このイベントはゲームの後半あたりに発生するイベントである。

 

リーベスピリットは肺炎に唯一効く薬であり国内ではこの替わりは存在しない。カールの娘であるマルタは深刻な肺炎の病に侵されており、一時は命をつなぎとめたものの死の宣告を受けている。

 

カールにとっても病気の住人にとっても喉から手が出るほど欲した最後の希望。

 

ループ1 通報

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住民の一人がリーベスピリットをテーブルの裏に隠し持っている。それを鍵穴から覗いて知ったカールはアパート管理人の職務権限の力を使い、警察を使って住民を逮捕させる。

カールはアパートの管理人であると同時に国家が指定する国民の監視役のため、密告、レポート、監視ができる。

 

カールは住民を政府に密告し逮捕させることで薬の入手を試みる。

しかし上司ブルーノの監視下では薬の入手は難しく、リーベスピリットはその場で回収され住民だけが連れていかれてしまう。

 

住民の逮捕も薬の回収もカールにとって望む結果ではない。通報前に戻ってループやり直し。ちなみにこの上司ブルーノは国家最高権力者に次ぐ人物、彼もまた汚職に塗れたクズ野郎だが、狡猾でありその目をすり抜けるのは容易ではない。

 

ループ2 窃盗

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通報ではリーベスピリットを入手できなかったため、アパート管理人の持つマスターキーを使用し、直接部屋に忍び込んでリーベスピリットを盗み出す。

 

薬が盗まれたことを知り激昂する住民。死期を悟り、ベッドで死の眠りにつく。

 

さすがのカールも自分の利益のために他者を殺す極悪人でなく命の重みを理解している大人の男である。ループやり直し。

(ちなみに住民が寝っ転がっているベッドがどう見ても狭すぎである。共産主義国家特有の必要最低限しか支給しない、立って半畳、寝て一畳、刑務所の独房生活のような清貧さがうかがえる)

 

ループ3 脅迫

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リーベスピリットを所有する住民に脅迫状を送り、現金の入手を試みる。リーベスピリットは商人との闇取引でも入手は可能。直接手に入らないなら金で解決しようという魂胆である。

 

ちなみにここで初めて住民の名が「シェーン・モス」という名前であることが明らかになる。←よくみたら最初の通報で出てた。

シェーン・モスという名の人物はゲーム内では出てこなかったと思う……。ショートフィルムのみのキャラクターだろうか。

 

お前の秘密をばらさない代わりに1500手放せという手紙を送り付ける。単位が書いてないのでわからないが、Beholderの現金の単位は基本ドルである。1500ドルというと日本円で16万円ほど。ちなみにリーベスピリットは15000ドル必要。160万。たかっ!

 

住民は拳銃を取り出し、自殺を試みるが引き金を引けない。警察に捕まるのは死と同じである。だったら最後に脅迫主を殺して逮捕されよう。どちらでも同じことだ。

 

植木鉢の金をとりにくる人物を忍んで待ち、殺害を試みる。拳銃を突き付けられるカール。どう見てもリーベスピリット入手失敗。ループ強制やり直し(表情からして撃たれたっぽい?)

 

ちなみにこのゲームで住民に殺されるのはよくあることである。

まさかの殺害にイライラし始めるカール。机をトントンしている当たり別の策が浮かばないみたい。

 

ループ4 直接交渉

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リーベスピリットを分けてもらえないか?と直接話してみるカール。命がかかってるので当然嫌がる住民。しかも160万だし。

 

カールも度重なる失敗でイライラしていたのか、もみ合いになった末、住民を殺害してしまう。

あたりまえだけど失敗。流れる血を見て即ループやり直し。憔悴するカール。

 

ループ5 何もしない

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もはや何もかも失敗して疲れきってしまったのか流れに身を任し何もしなかったカール。娘死亡。

 

こうなったのもずべて政府の身勝手な政令のせい。やり場のない怒りを国家のポスターにぶつけ最初の地点までやり直す。

 

住民も娘も元通りにして最初からやり直し。内心は国家に反発してもその社会で生きていかねばならない。制限された社会の中でとりえる選択肢を取り続けるしかない出口のない袋小路。かつてヤコブが麻薬を作り続ける選択肢を取り続けるしかなかったように。

 

ぶっちゃけカールはどうすりゃいいのか

この短編映画では娘の薬代に莫大な金がかかるという所がポイントである。実はリーベスピリットは物語中、いきなり多額の金が要求されるイベントなのだ。

 

いままではちょいちょい出費が発生するもののこの薬ほど莫大な金は要求されなかった。

つまりこの映画の時間軸のカールは、娘にリーベスピリットが必要になるまで日ごろの行いが悪かったのだ。

 

これはゲームをやりはじめの初心者プレイヤーにありがちで、住民の個人情報を政府に送信してなかったり、家の捜索を怠けていて評価ポイントを稼がなかったりすると陥りがちなミスである。

 

つまりこの短編映画のカールが取れる最善の対応策はゲームスタート地点まで戻り、住民全員を監視、全部屋に監視カメラを設置、家宅捜索しまくって趣味や違法物を探しまくり、政府にはもれなく住民の個人情報を売り飛ばしさらに違法物をネタに脅迫しまくって金を稼いで日ごろの行いを良くしなければいけない

 

盗撮に個人情報流出に脅迫とどこが日ごろの行いが良いんだ、って感じだがこのゲームにおいては冷酷な任務を徹底的に果たすことで、より多くの命を救いしいては住民を死なせずにある程度幸福に導く仕様になっている。

 

それを怠ったからこのカールは袋小路に追い込まれてしまった。

 

小ネタ:Beholderの財産事情

脅迫の16万って安いじゃん!って思いがちだが、全ての富をみんなで分かち合うという思想に基づいて作られた共産主義・全体主義において、財産を独り占めする貯金という行為はご法度になりがち。

 

Beholderはこのあたり日本よりかは少しマシで、全体主義を採用しながらも、個人に対しある程度財産の所有を認めていて柔軟。

大金を相続できたり、宝くじで当たった財産の保有も認められているので、そこそこお金を持っている人はいるみたいである。なので脅迫すると素直に応じる住民が多い。

 

「日本よりかは少しマシ」というのは日本は自然災害が多いという特性上、みんなで農作物などの富を分かちあい助け合うことで生きてきた。全体主義である。

 

だが同時に全体主義は富を分かち合うという特性上、一人が貯金したり財産を所有したり、人権や権利を尊重するということに嫌悪的で、それは現代においても「お金を稼ぐことは悪だ」という形で残り続け無償で社会のために奉仕する姿勢が美化されそれを強く他者に求める傾向がある。

 

だけど自然災害が少ない土地で全体主義を実行するとなると、どうしても負担する側の不満がたまり暴動などになりがち。

 

共産主義を貫くBeholder内でも個人の財産保有が認めていたり、表面上は人権を尊重する姿勢を見せたり、女性の労働を尊重したりするなど、一見共産主義とは矛盾した姿勢を取っているそのあたりが原因なのかもしれない。

 

現に物語中の登場人物のほとんどは国家の人権に介入する姿勢に対して反感を持つ人ばかりで、カール自身も最初は忠実に従っていたが、終盤は常にイライラしている。

DLCの主人公である温厚なヘクターですら、国家の批判をしており「国を出て行ったほうがマシ」とまではっきり言っている。