ゴリアテ | アニメ・ゲームブログ

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【Dead by Daylight】デザイナーの色覚障がい者への失言と色覚サポートの重要性について

『Dead by Daylight』に待望の色覚オプション追加へ。明かされたきっかけはデザイナーの“失言”から | AUTOMATON

 

Dead by Daylightでステインの色合いを複数から選べる色覚オプション(色覚サポート)機能を実装すると発表しました。

この機能はデドバの公式コミュニティ(英語版)で強く求められていたもので、ステインの赤い色と黒っぽい暗い背景を混ぜると色覚障がい者からは全く見えなくなってしまうというものでした。

 

 

DbDのデザイナーによる失言

実装が決まった閉経にはゲームのデザイナーであるAlmoという人物が配信で色覚サポートを求める人…記事本文によれば「色覚調整について毎回ごちゃごちゃ言ってくる人たち」たちについて愚痴ったのが問題なようです。

 

 

「本当に面白くない」

「何百万回と聞いているし、我々にせがみ続けても何も変わらない」

「実行する時間があるとき、または実行する必要があると誰かが判断した場合にやる」

 何も関係ない人が言うなら別にいいのですが、デザインに携わる人間がこれ言ったもんだから大問題。アクセビリティ向上を目指す非営利団体からリプが来たり大問題になってしまいました。

(ビデオゲームだけではなく、海外にはWeb上のユーザビリティを向上させるべく活動したり、インターネットのアクセシビリティやコーディングガイドラインなど提供している団体など数多くあり、その人たちの知識をもとに制作者が制作を行うため、みんなが使いやすくなっています)

 

色覚障がいとは何か

簡単に言うと人によって見え方が違うというものです。赤や緑が黄土色に見えてほとんど区別がつかなかったり、緑色が見辛かったり複数種類があります。

 

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よくあるコカ・コーラの色

赤が見えづらい人は1型と呼ばれ、緑が見辛い人は2型と呼ばれます。青が見えにくい人は3型と呼ばれます。人間の目の赤・青・緑を感じる機能が一部失われているそうです。

上記の画像の通りデドバカラーをマジで使ったら色覚障がい者の人はなんも見えない。だからこのサイトでも赤の明度を上げたりオレンジ系を使ったりしています。

 

日常生活にはほとんど影響はなく免許も取れます(信号は色ではなく位置で判断するため)。色には明るさなどもあるため、明度はしっかり分かる人もいます。

色覚障がいのある人の見え方例

引用:大阪府/ガイドライン

ですが上記の画像のように、色と文字の組み合わせによっては情報が伝わらなくなってしまうため、我々デザイナーや開発者にとって色覚障がい者への配慮は絶対的な必須知識になっています。できて当たり前、できないほうがおかしい。

 

今回は娯楽の一つであるゲームだからいいですけど、これが災害情報だったり、お金に関わる情報だったりすると多数の犠牲者が出てきたり損害が発生してしまいます。

 

…いや、今ゲームだからいいって言ったけど、せっかく頑張って作ったゲームを公開したとして、画面が見辛かったり操作しづらくてプレイヤーがゲームを放棄したり返品したらほとんどの人はもう二度と戻ってきません。折角興味を持って遊んでくれたのにユーザビリティを改善していれば獲得できたプレイヤーを失ってしまう。それってもったいないよね、って話。

 

色覚サポートがなぜ重要か

日本では色覚障がい者への配慮を行おうとすると、そんなことしなくてもいいじゃんと思う人がたくさんいます。なぜこの配慮が重要なのか説明したいと思います。

 

日本人の5%(20人に1人)が色覚障がい者

制作者やデザイナーが太古の昔からここまでなぜ色覚障がい者に配慮するかというと、人口の5%が色覚障がい者だと言われているからです。情報を作り届ける者にとって20人に1人に情報が伝わらないなんてことは大問題です。

 

国内には320万人の色覚障がい者がいると言われています。頑張って作ったゲームが320万人に伝わらないというのは大損害です。320万人のユーザを失わないためにも、デザイナーにはユーザビリティを学ぶ義務があります。大人気の実況者にも色覚障がいを持つ人がいます。色覚障がい者はそこら辺にいます。さらに言うと色覚に障害を持つ人のほとんどは男性です。

 

ぼくのともだちも色覚障がいだし、ブログの読者も目になんらかの障害がある人が多いです。

 

 

目が良い人がそもそも少ない

そもそも目が良い人が少ないです。老化による視力の低下や白内障などの後天的な要因によっても見えるものが違ってきます。

 

 

色覚障がい者が見えないと普通の人もだいたいよく見えない

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例えばこのどっかの配信者からの配信からスクショしてきたデドバの新UI!普通に見てもすごい見辛いデザインですが、これに色覚フィルターで色覚障がい者の視点に切り替えると……?

 

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ほら!!見えない!!


つまり色覚障がい者が見えない世界はみんなにとっても見辛いんです!ユーザビリティをおろそかにするとみんな巻き込まれてしまいます。

(なぜこのUIが見辛いかを語ると色に頼りすぎているのが一つ。フックに吊るされた回数が白いゲージが赤く染まることで表現している。これはモニターや画面の明るさでも見辛くなるし、色覚異常だと全部同じ色に見える。さらに文字が小さすぎて見えないから色に依存するしかない問題を抱えている。背景色と各UIが同化してしまっている。空の背景色や木々の背景にプレイヤー情報や発電機情報が同化すると見えない。従来は地面の暗い背景に白文字だったので見やすかったということが起きる)

 

デドバが炎上した本当の理由は「できない理由」をプレイヤーのせいにするから

ここまでUIについていろいろと書きましたが、デドバが炎上した本当の理由はデドバが技術的に、またはスケジュール的に「できない理由」プレイヤーのせいにするからだと思います。

 

今までデドバ運営は多くの問題を「プレイヤーのせい」にしてきた

色覚サポートだけに関わらず、デドバは今まで多くの事を「プレイヤー」の名目にしてきました。

 

例えばクラウンの強化を実装しないという発表も「プレイヤーがクラウンを使いこなせていないから」と語り、血の渇望の削除も「プレイヤーから要望があった」からと語りました。

 

でも実際クラウンの強化をしないのはバランス調整が難しいからだし、血の渇望の削除も誰から要望があったのかよく分からない

 

実際血の渇望を削除したいのは、キラーの殺傷率とサバイバーの脱出率をフィフティ・フィフティに抑えたいからだし「クラウンを使いこなせていない」というのも設計した人がそれ言う?って話になります。

 

色覚サポートを入れないのも、デザイナーにユーザビリティの知識がないからというのは、最近提示された新しいUIを見れば分かります。なのに今回もできない理由を「プレイヤーがごちゃごちゃ言っている」とプレイヤーのせいにしている。

 

デザイナーが色覚障がい者に文句を言うのはデザイナーとしてはご法度

今回のように作った画面の先に操作する人がいる場合、デザイナーの仕事は絵を描くことだけでなくテキスト、図形、絵、色、線、それらを用いて人々に適切に情報を届けるのが仕事です。

 

ゲームはというのはデザインを作ったデザイナーがおり、そのデザイナーが作った画面を見ながらプレイヤーが操作をします。どちらが欠けてもゲームは成り立たない。

 

視力というのは個人差が大きく、老化や性別によっても大きく変わります。とくにデジタルの世界はモニターやハードウェアによる見え方の違いも生まれるため、そういったバラツキのある環境下でより多くの人が快適に操作できるように設計するのが仕事です。それを行うことによってプレイ人口を一人でも多く増やすことができるためデザイナーが求められるのです。

 

ユーザビリティを考慮しないのはデザイナーの怠慢

今回デザイナーの言動は、色覚障がい者が悪いかのような発言してしまいました。ですが色覚障がい者は悪いことをしていません。何故ならデザインが見えにくいのは色覚障がい者の問題ではなく、デザイナーが作ったデザインが単純に見えにくいからです。

 

それを直そうとしないのはめんどくさいからだし、ユーザビリティやアクセシビリティの知識なんていくらでも提供されているのに、それを勉強しないのはめんどくさいから。

それを今回のAlmo氏はプレイヤーたちのせいにして「ごちゃごちゃ言ってくる」と文句を言ってしまいました。

だけど作られたデザインが見辛い・見えないという意見は、クレームではなくただの事実です。

 

色覚ガイドラインやテクニックは普及してる

プレイヤーは決して突飛なシステムを要求しているわけではありません。

ユーザビリティを考慮したデザインというのは技術的には難しくはなく、先ほどのべたユーザビリティ向上を目指す非営利団体やデザイナーさんたちによって数多く提供されています。

 

そういった識者たちの知識がたくさんあるので、ユーザビリティを考慮したデザインを設計することは難しくないようにできています。

システムを導入するのは難しいんだぞ!という意見もありましたが、今回はデザインに限った話なので分けて考えてください。

 

「ユーザは簡単だと思い込んで一日やそこらで実装しろと言っている」という人もいましたが、だれもそんなことは言ってないのです。

先天的、後天的、年齢や性別、人によって見え方が変わってしまう世界で、ユーザビリティを向上してほしいそれだけの話です。デドバはなぜかユーザの要求が極端に解釈されやすいですけど、実際言ってることは割と単純だと思います。

 

できないことは「技術的にできない」でいい

デドバ運営ってアプデのたびに「上手い人のプレイ動画を見ろ」とか「プレイヤーがごちゃごちゃ言ってる」とか、毎回、毎回プレイヤーのせいにする一言が多い気がします。

 

ただ技術的にできないのは本当の事なのだから、「技術的にできない」「めんどくさい」って言えばいいのにって思います。

バカにされるのも怒りを買うのも仕方ないですが、プレイヤーが悪いとかごちゃごちゃ言ってるって矛先を変えても信頼を失ってしまいます。

 

例えば、バグが多発しているのはif文だけでソース書いて収拾がつかなくなった自分のミスなのに、顧客に対して「バグごときで文句を言う人たちが…」なんて言われたら信頼は一瞬で砕け散ります。