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ひぐらしのなく頃に業 郷壊し編22話の感想と考察「天外孤独の沙都子は梨花を失うのが耐えられない」

 

第22話 郷壊し編 其の伍

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郷壊し編22話先読みしたけど……むむむ……沙都子がどんどんヤバイ方向に。

 

 

主なストーリー

沙都子は何度も何度もやり直して梨花を止めようとするけどなかなかうまくいかない。

説得失敗→自殺の繰り返し。自殺に全く抵抗がない所が怖い。

梨花はめちゃくちゃ頑固なので聖ルチーアに行くという決定を変えようとしない。

 

このあたり聖ルチーア以外の学校に行けばいいって言う問題でもないと思う。聖ルチーアに行かせたくないなら学費を出資する入江をどうにかすれば物理的に行けなくなるだろうけど、事の問題は田舎育ちの沙都子だとルチーアじゃなくてもたぶん学校についていけない。

 

前にも言ったけど自由奔放な田舎の雛見沢分校と、外の世界でキッチリ枠に定められてカリキュラム通りに授業が運ぶ普通の学校ではレベルも授業の進み方も全く違う。

ついでに言えば生徒の数も数人から数十人に変わる。沙都子とは違って家庭環境も育ちもいい子供たちが増えれば……梨花はそっちを選ぶかもしれない。また沙都子は一人ぼっちになってしまうだろう。

 

だから沙都子は雛見沢に留まることに執着している。

 

ただその人生は梨花にとって望むべき未来じゃない。雛見沢近辺にどういう高校があるか描かれてないしよく分からないけど、偏差値の低い雛見沢分校の延長線みたいな学校でその日暮らしをするのを梨花が望んでいない。

 

梨花が望む人生は雛見沢の外でハイソサエティな生活を送ることだから。こういう人生がかかってることって妥協できないし説得でどうこうできる問題ではないだろう。梨花ならようやく手にした人生だから、それを大事にしようとするだろう。妥協するわけがない。

 

上手くいかない沙都子は梨花が経験した100年と同じ分量をその身をもって体験することに。

すべてを理解したのち、彼女はたった一人の梨花を追い詰めるべく踏み出す。それはもはや執着である。

 

沙都子の視点から物語を読む

自分はもう大人だし親友や友達というものに対して全く信頼や愛情を持っていないから沙都子の意志に共感できないんだと思う。

たった一人の友達のためにここまでする価値があるのか?と正直思う。でも沙都子は親もいないし大切な人が梨花しかいない。私にとって実の父を失うのと同じくらいに、沙都子にとっては梨花を失うのが耐えられなかったのだろう。一人ぼっちになりたくない。このあたり苦しみは家族を失った人間でないと理解できないかもしれない。

 

にーにーに別れを告げる沙都子。悟史が病院の奥で眠り続けている真実を知っても沙都子の意志は変わらない。どうして?

 

梨花をあきらめて、にーにーが目覚めるのを待ってまた共に暮らすという選択肢だってあるのに、と思う。でも彼女は高校1年生の半ばまでいきた間で、悟史が目覚めていないのを知っている。彼がもう戻ってこないということを受け入れてしまったのかもしれない。

 

だから梨花への執着はもっと強くなる。ほとんど天涯孤独の状態でたった一人の梨花すら失うのはまだ10代そこらの彼女にとっては酷い仕打ちだろう。天涯孤独というのは想像する以上に辛いしそれを受け入れるまでに大人でもかなりの時間がかかる。

 

正直沙都子と梨花どっちが悪いって話じゃない

ひぐらしの感想見てると沙都子が悪いとか梨花が悪いとかそういうどっちが論争をよく見かけるけど、正直どっちが悪いって話に執着する意味がないと思う。

 

梨花が諦めて雛見沢にとどまるって選択をとってもそれってどうなのかな、と正直思う。100年近くを雛見沢に閉じ込められて生きてきた梨花にとって外の生活は狂おしいほど欲した日常。100年間、予想した通りの夕飯、定期的に行われるイベント、見飽きた風景、つまらない日常、目の前にはいつも同じ人、そして最後は惨劇で終わる、そんなのを見続けてきた梨花にとって外の世界への憧れは尋常ではないだろう。

 

貴族社会で美しい西洋風な校舎で高等な教育を受けられる聖ルチーアでのハイソサエティな生活は梨花にとっては悲願なのだ。もしかしたら留学とかそういう環境も整っているかもしれない。惨劇から解放された梨花が偏差値の低い学校で、つまらなく平凡な人生を過ごしたがるとは思えない。惨劇から解放されたら人生は一度切りなのだから。

 

一方で沙都子は天涯孤独でたった一人の兄すら帰ってくるかわからない状態。梨花を失ったら本当の意味ですべてを失ってしまう。親の虐待と離婚経験を見ているから結婚に対するあこがれも木端微塵に砕かれているし文字通り梨花だけ。だから聖ルチーアで梨花を奪われるのが耐えられない。梨花とはちがって彼女の未来は絶望しかない。だから執着する。

 

梨花も天涯孤独という点は変わらないけど、賽殺し編を見ればわかるんだけど梨花は実の親への愛情がすっぱりと切れてむしろ邪魔みたいな感じになってたり、現実世界で生きる上である程度孤独を受け入れてしまっている。たぶん100年の歳月がそうさせてしまったのかもしれないけれど、たった一度の自分の人生と、沙都子どっち選ぶ?って聞かれたら迷わず親友を取るほど愚かではない。梨花はかなり現実的なところがある。

 

沙都子が行っていたように、繰り返す者とはかっこよく言うが結局はただの根競べなのだろう。うぅむ。